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メニエール病の原因・症状・治療法と予防のポイントを解説

公開日: 2024年12月10日

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石部 司院長
滋賀県守山市

メニエール病とは

耳の中の内耳部分にむくみ(内リンパ水腫)が生じることで、回転性のめまいや耳鳴り、難聴を繰り返す疾患です。内耳は、耳の中の鼓膜よりさらに奥の部分に位置し、平衡感覚や聴覚に関わる器官です。

原因

耳の中の内耳部分にむくみ(内リンパ水腫)生じることで起こります。むくみは、内耳を流れる「内リンパ液」が増えすぎることで生じます。この内リンパ液が増える直接的な原因はわかっていませんが、過労や睡眠不足、ストレスなどの生活習慣や、気圧の変化などが関わっていると考えられています。

症状

主な症状には以下のようなものがあります。

〇 主な症状

  • 10分~数時間続く回転性のめまい(ぐるぐるするめまい)
  • めまいにともなう吐き気や嘔吐
  • 耳鳴り
  • 難聴(聴力の低下)
  • 耳閉感(耳がつまった感じ)

など

めまいを繰り返すことで、耳鳴りがひどくなったり、難聴が進行したりすることが特徴です。また、難聴は低音から始まり、進行すると高音域の聴力も低下していきます。多くは片耳のみですが、両耳に進行する場合もあります。

検査・診断

症状などからメニエール病が疑われる場合は、聴力検査やめまいによる眼球の揺れ方などをみる眼振検査、身体のバランス感覚をみる平衡機能検査などを行います。さらに、CT検査やMRI検査などの画像検査が行われることもあります。

治療・治療後の注意

基本は薬物治療です。めまいや耳鳴りなどの症状を抑える目的や、内耳のむくみ(内リンパ水腫)をとるために、飲み薬や点滴薬を使用します。薬物治療で効果が出ない場合には、耳の中にチューブを入れて空気の圧力で内耳のむくみをとる中耳加圧療法や、内耳のむくみ(内リンパ水腫)を切除する外科的治療(手術)が行われることもあります。

また、メニエール病は、過労や睡眠不足、ストレスなどの生活習慣と深く関わっていると考えられているため、できるだけ生活習慣を整えて生活をします。さらに、ウォーキングや水泳などの有酸素運動や、こまめな水分補給は、血液循環や内リンパ液の代謝を促進するため、内耳のむくみ(内リンパ水腫)を改善する効果があります。

めまいや耳鳴りなどの発作を繰り返すと、難聴が両耳へ進行することや、治療をしても回復が期待できない状態になることがあるため、早めに適切な治療を受け、症状をよりよい状態にコントロールしましょう。

予防

直接的な原因がわかっていないため、特定の予防方法はありません。しかし、過労や睡眠不足、ストレスなどの生活習慣と深く関わっていると考えられているため、睡眠や休息を十分にとり、できるだけ生活習慣を整えて過ごすのがよいでしょう。また、ウォーキングや水泳などの有酸素運動や、こまめな水分補給は、血液循環や内リンパ液の代謝を促進するため、予防としても有効です。

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医師紹介

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石部 司院長
滋賀県守山市
1978年 関西医科大学医学部卒業

1978年 関西医科大学耳鼻いんこう科入局。1982年 テネシー大学留学、1985年 関西医科大学大学院卒業、1986年 関西医科大学耳鼻咽喉科講師、1987年 医療法人いしべ耳鼻咽喉科を開業。耳鼻咽喉科専門医(日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会)、気管食道科専門医(日本気管食道科学会)。専門分野はアレルギー性鼻炎、中耳炎、耳鼻いんこう科一般。