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すい臓がんの原因・症状・治療法と予防のポイントを解説

公開日: 2020年12月16日
更新日: 2024年12月27日

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瀬尾 雄樹医師
栃木県足利市

すい臓がんとは

すい臓に悪性の腫瘍が発生する疾患です。すい臓がんは、早期の症状がほとんどなく、またほかの臓器や血管に囲まれた奥深くに位置しているため、がんが発生していても見つけにくいことから、早期発見が難しいがんです。さらに、周囲の臓器に広がりやすく、転移しやすいという特徴もあります。そのため、発見されても約7割は手術での治療ができない状態とされ、治りにくいがんでもあります。

原因

正確な原因はわかっていませんが、すい臓がんが発生するリスク要因としては、以下のようなものがあげられています。

〇 主なリスク要因

  • 家族歴(血縁者にすい臓がん患者がいる)
  • 糖尿病
  • 肥満
  • 慢性膵炎
  • 遺伝性膵炎
  • 膵管内乳頭粘液性腫瘍(すい臓にできる袋状の腫瘍)
  • 喫煙
  • 過度な飲酒
  • 塩素化炭化水素(クロロホルムなど)にさらされる職業

など

症状

主な症状には以下のようなものがあります。ただ、早期では自覚できる症状がないことがほとんどです。何かしらの症状が出ていたとしても特徴的でないことが多く、よくある体調不良などと見分けがつきづらいことが早期発見の妨げになる一因です。

また、すい臓がんは、インスリンを分泌する機能を低下させるため、新たに糖尿病になったり、もともと糖尿病がある場合は悪化をしたりします。

〇 主な症状

  • 腹部の不快感
  • 食欲不振
  • 体重の減少
  • 全身倦怠感
  • 腹痛
  • 腰痛
  • 背中の痛み
  • 黄疸
  • 糖尿病の発症や悪化

など

検査・診断

まずは、腹部の超音波検査や血液検査が行われます。さらに必要に応じて、CT検査やMR検査、超音波装置がついた内視鏡を使った検査(超音波内視鏡検査)などの画像検査が行われます。このような検査でがんが疑われた場合は、組織の一部を採取して生体検査が行われます。

治療・治療後の注意

主な治療は「外科的治療」「化学療法」「放射線治療」です。がんの状態や転移の有無などによって、どの治療を行うかが検討されます。

外科的治療

腹部を切開して行う開腹手術によって腫瘍を切除します。もっとも治る可能性が高い治療法ですが、早期発見されにくく進行した状態で見つかることが多いことから、診断時点では約7割が手術での治療が難しいとされています。診断時に、手術可能かの判断が難しい場合などは、先にほかの治療を行ってから、その経過によって手術を検討することもあります。

化学療法

抗がん剤を使った治療です。がんが主要な血管に広がっている場合やほかの臓器に転移している場合など、外科的治療が難しい場合に検討されます。外科的治療と組み合わせて、術前や術後に行われることもあります。

放射線治療

腫瘍のあるところに向けて放射線を照射する治療です。主要な血管に広がっている場合やほかの臓器に転移している場合など、外科的治療が難しい場合に検討されます。基本的に単独では行われず、化学療法(抗がん剤)と組み合わせた「化学放射線療法」として行われます。また、外科的治療と組み合わせて、術前や術後に行われることもあります。

そのほか

外科的な治療後の再発や化学療法後の進行や再発があった場合は、免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬など、それまでに使用していない薬剤による治療が行われることがあります。

予防

すい臓がんのリスク要因には、肥満や喫煙、過度な飲酒など、生活習慣と密接に関係している要因が多くあります。そのため、肥満の解消や禁煙、適度な飲酒など、これらの状態を改善させることが予防につながります。そのほか、健康的な食生活や適度な運動など、生活習慣を整えることもよいでしょう。

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医師紹介

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瀬尾 雄樹医師
栃木県足利市
千葉大学医学部卒業

2006年 東京歯科大学市川総合病院臨床研修医、2008年 国立病院機構霞ヶ浦医療センター、2009年 足利赤十字病院、2010年 慶應義塾大学医学部外科学教室 一般・消化器外科助教授、2013年 足利赤十字病院外科、2015年 立川病院外科医長、2018年 足利赤十字病院外科副部長。日本消化器外科学会消化器外科指導医、日本外科学会外科指導医、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡指導医、日本大腸肛門病学会大腸肛門病指導医・評議員、日本内視鏡外科学会内視鏡外科技術認定医・ロボット支援手術プロクター、日本腹部救急医学会腹部救急認定医、日本がん治療認定医機構がん治療認定医、日本臨床外科学会評議員。専門分野は大腸、肛門系疾患。