尿路結石の原因・症状・治療法と予防のポイントを解説
医師紹介
尿路結石とは
尿路とは尿の通る道のことで、腎臓→尿管→膀胱→尿道の総称です。この尿路のいずれかに結石(石状の異物)が留まり、排出できなくなる疾患です。尿路結石の95%以上は、腎臓 または 尿管で起こります。
原因
結石が発生する要因はさまざまです。生活習慣に関連することも多く、不健康な食事習慣や肥満、水分の摂取不足などが要因としてあげられます。そのほかにも、代謝異常や内分泌疾患など、特定の疾患に関連する場合や、遺伝性の要因で発生する場合もあります。一方で、原因がわからないこともめずらしくありません。
発生した結石は、通常であれば排尿の際に一緒に身体の外に排出されます。しかし、大きくなり過ぎた結石や結石が小さくても尿路の何処かしらが狭く通過できないなど、何らかの事情で排出できなくなることがあります。
症状
結石がある場所によって異なりますが、特徴的な症状は、痛みと血尿です。痛みの症状は、腰周辺から下腹部にかけて生じることが多く、発作的な激しい痛み(疝痛発作)が起こることもあります。また、痛みが続くのは、数時間から長くて半日程度と一時的であることが多いです。
そのほか、主な症状には以下のようなものがあります。
〇 主な症状
- 排尿時の痛み
- 脇腹や下腹部の激しい痛み(疝痛発作)
- 血尿
- 頻尿
- 残尿感
- うまく尿が出ない(排尿困難)
- 尿意があるのに尿が出せない
- 発熱
など
検査・診断
一般的な問診や診察で尿路結石が疑われた場合は、超音波(エコー)検査やレントゲン検査、内視鏡検査などで尿路のいずれかに結石の有無を確認します。このような検査では見つけられない場合などは、CT検査を行うこともあります。そのほか、尿検査や血液検査なども行います。
治療・治療後の注意
結石がある場所や大きさ、数などによって治療は異なり、以下のようなものがあります。
疼痛コントロール
痛みがある場合は、鎮痛薬を使って軽減させます。即効性、効果ともに高い座薬が最もよく使われますが、効果がない場合には点滴や筋肉注射が使われます。
自然排出を待つ
結石の大きさが5mm以下であれば、自然に排出することが期待できます。尿量を増やすために水分を多く摂る、尿路の動きを促すために運動をするなどの日常生活指導で経過観察をしながら、自然に排出されるのを待ちます。
結石の大きさが10mm以上になるなど、自然に排出することが期待しにくい場合は、以下のような治療が行われます。
体外衝撃波結石破砕術・たいがいしょうげきは けっせきはさいじゅつ(ESWL)
身体の外側から、圧力波の一種である衝撃波を結石に向けて照射し、結石を細かく砕きます。小さくなった結石は、尿と一緒に自然に排出されます。身体を傷つける必要がなく麻酔も必要ないため、日帰り手術も可能です。
経尿道的尿管結石破砕術・けいにょうどうてきにょうかん けっせきはさいじゅつ(TUL)
尿道から結石のある場所まで内視鏡を挿入し、レーザーなどを用いて結石を砕いて、取り除きます。麻酔をして行うため、数日間の入院が必要です。
開腹手術
腹部と結石のある部位を切開して、結石を取り除く方法です。現在ではほとんど行われません。どの方法でも結石が排出されない または 取り除けなかった場合などにまれに行われます。
予防
尿が濃くなると結石ができやすくなるので、日常的に十分な水分摂取をしましょう。そのほか、生活習慣と密接に関係している要因も多くあるため、健康的な食事習慣や適度な運動習慣など、生活習慣を整えるのもよいでしょう。
また、尿路結石は再発率の高い疾患です。確実に再発を予防することは困難ですが、再発予防としては以下のようなことが推奨されます。
〇 再発予防
食事以外で1日2,000mL以上の水分を摂取する / カルシウムを積極的に摂取する(1日600mg~800mg) / 動物性たんぱく質を過剰に摂取しない / プリン体を過剰に摂取しない(1日400mg以内) / 塩分を控える / クエン酸を摂取する / 就寝前4時間は食事を控える など
医師紹介
国立病院機構災害医療センターでの初期研修を経て、日本医科大学付属病院と、山形県や神奈川県の関連病院に勤務。膀胱炎や過活動膀胱など、代表的な泌尿器疾患をはじめ、前立腺がんや腎臓がんなどの泌尿器がんに対する腹腔鏡手術や開腹手術などの外科手術、術後の管理まで、幅広い症例に携わる。そのほか、救急外来や皮膚科、内科での診療経験なども経て、2023年にこくぶんじ泌尿器科クリニックを開業。専門分野は泌尿器科一般、悪性腫瘍、性感染症。