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子どもの 動悸がする・息が切れる 原因は?受診はするべき?

公開日: 2025年05月19日
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子どもの「動悸がする・息が切れる」について寄せられた相談から、原因や何科を受診すべきかなど、医師の回答をご紹介します。

子どもの 動悸がする・息が切れる…原因は?

寄せられた質問から多く疑われた原因には、以下のような疾患などがありました。

疑われる疾患など

  • 不安障害
  • うつ病/うつ状態
  • そのほかの心療内科/精神科系疾患
    (パニック障害、睡眠障害、自律神経障害 など)
など
また、「動悸がする・息が切れる」に加えて、「呼吸が苦しい」「不安が強い」症状を併発しているケースが1割前後ありました。

受診は必要?

医師の回答のうち、8割以上で 最寄りの医療機関での受診 が推奨されました。

受診を推奨される診療科として多くあがったのは、以下の診療科でした。

推奨される診療科

以下からは、実際にあった質問と医師からの回答を紹介します。

恐怖を感じたときの動悸

10代・女児10代・女児 のアイコン

何かをやる度に疲れます。いつも不安でいっぱいで、怖いことしか考えられません。怖くなったときに動悸がします。

最寄りの診療所・クリニック 小児科 または 精神科 受診を推奨します。

精神科医師①の回答精神科医師①の回答 のアイコン

つらそうですね。まずは、身体の病気がないのかを小児科でみてもらってください。異常がなければ、児童思春期専門の精神科を受診するとよいですよ。

最寄りの診療所・クリニック 小児科 または 精神科 受診を推奨します。

精神科医師②の回答精神科医師②の回答 のアイコン

直接、診察しないと正確には判断できませんが、可能性としては、何らかの要因(未熟な性格、適応障害、不安障害、躁うつ病、精神病の初期症状、月経関連、内分泌疾患など)によって、身体不安症状(動悸、胸痛、呼吸困難感、過呼吸、胃腸症状、熱・冷感、頻尿・しびれ・ふるえ、失神、めまい感、頭痛など)をともなう不安緊張状態、あるいは、ストレスで悪化する身体疾患(心身症)の動揺が疑われます。

まずは、診断能力の確かな一般内科(小児科)、および児童専門の精神科を、家族同伴で受診して、正しい診断と対処方法をお尋ねください。

身体不調をともなう場合は、身体疾患が原因となって抑うつ状態なっていないかを確認するため、先に小児科等を受診してください。

いずれの場合も、受診までの間、体の休息に加え、不安なことは周囲や各種専門家へ相談して、解決または見通しを知って安心する心の休息を、十分にとるようにしてください。

なお、学業や日常生活ストレスなどが主因の場合、医学的治療のみで改善は期待できせんので、教員や家族、福祉関係者、各種専門家(学校心理士など)とともに、生活や就学環境の調整が必要です。

人前に立つと動悸がする

10代・女児10代・女児 のアイコン

人前に立つのがすごく苦手です。人前に立つとドキドキして、呼吸が荒くなって、涙が出てきます。

常に頭が痛くて、気持ち悪いときもあります。最近はすごくストレスを感じていて、もう生きていなくてよいかなと思っています。

最寄りの診療所・クリニック または 病院の 心療内科 または 精神科 受診を推奨します。

精神科医師の回答精神科医師の回答 のアイコン

いただいた健康状態からは、一般的に社交不安障害やうつ状態の可能性が考えられます。

精神症状が続く場合は、できるだけ規則正しい食事や睡眠、適度な有酸素運動など心がけ、早めにお近くの精神科や心療内科を受診しましょう。薬物療法やカウンセリングなどが有効でしょう。

最寄りの診療所・クリニック または 病院の 精神科 または 心療内科 受診を推奨します。

内科医師の回答内科医師の回答 のアイコン

詳細に記載されています症状や状況から推察をさせていただきますと、これらの原因は精神的に病的な状態に落ち込んでいることにある可能性が極めて高いと思われます。

うつ病である可能性が極めて高いと思われます。これに対して、自分自身の頑張りや我慢によって改善する可能性は低く、むしろ逆に精神ストレスによって悪化する可能性が高いと思われますので、改善のためには病院受診が唯一の方法だと思われます。

そのため、お近くの精神科あるいは心療内科を受診されることを強くおすすめします。

検査でも異常がでない吐き気や息苦しさ

10歳未満・男児10歳未満・男児 のアイコン

吐き気や呼吸ができないと言い出し、いろいろ病院で検査しましたが、なんの異常もないです。

しかし、学校やサッカーの試合で大勢の場所にいると、息苦しくなり、吐き気など起こるようです。匂いにも敏感に反応するようになります。元気なときは普通なのに、いきなり症状が出ると、学校生活も寝て、保健室にいる毎日です。

最寄りの診療所・クリニックの 精神科 受診を推奨します。

内科医師の回答内科医師の回答 のアイコン

ご記載の内容からは心因性反応と考えます。小児精神科を受診して下さい。根底に社交不安障害がある可能性があります。この時期の対処が重要と思います。

呼吸がしづらい 同じ動作を繰り返す

10代・女児10代・女児 のアイコン

深呼吸が深くできない。呼吸を意識しすぎて呼吸しづらくなり苦しくなる。

精神的に気になることや1つの動作を、理由もなく繰り返さないと気が済まず、やめられない。本人にとってはそれが1番辛いです。例えば電気をつけたり消したり、鉛筆を永遠にトントンしたり、床のタイルを数えたら止まらなくなったり、座ったときに何回も座り直したり。本人も治したいと言っています。

最寄りの診療所・クリニック または 病院の 精神科 または 小児科 受診を推奨します。

その他診療科医師の回答その他診療科医師の回答 のアイコン

同じ動作を繰り返すことについては、自閉スペクトラム症や強迫症状によるものが考えられますが、発達期の途中であり、慎重な診察が必要になります。

呼吸に関しても、精神状態が落ち着いていない、ストレスにうまく対処できていないことが考えられます。呼吸を意識する場合は、しっかり吐くことを意識されるとよいでしょう。

小児精神科または小児科の受診をご検討ください。病院かクリニックかは問いません。

寝不足で動悸などの体調不良

10代・男児10代・男児 のアイコン

3日ぐらい前に寝不足で体調が悪くなりました。自律神経が乱れていると思って、生活習慣をなおそうと思い、早く寝ようとしても寝られません。どうやったら寝られるようになりますか。

特に動悸が起こります。吐き気が少しします。ストレスなどは特にありません。

最寄りの診療所・クリニックの 精神科 受診を推奨します。

精神科医師①の回答精神科医師①の回答 のアイコン

不眠が見られているとのこと、実際、診察させていただいておりませんので、断定はできませんが、不眠症の可能性が考えられます。

不眠症とは、入眠障害や中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害などの睡眠問題が1か月以上続き、日中に倦怠感や意欲低下、集中力低下、食欲低下などの不調が出現する病気です。原因は、ストレス、こころやからだの病気、クスリの副作用などさまざまで、原因に応じた対処が必要です。

不眠が続くと不眠恐怖が生じ、緊張や睡眠状態へのこだわりのために、なおさら不眠が悪化するという悪循環に陥ります。家庭での不眠対処で効果が出ないときは、専門医に相談しましょう。

まず、安眠のためのコツとしては、就寝や起床時間を一定にする、睡眠時間にこだわらない、太陽の光を浴びる、適度の運動をする、自分流のストレス解消法、寝る前のリラックスタイムとされています。

睡眠を専門としている精神科医療機関への受診をおすすめいたします。担当医の先生がお話しを伺って、カウンセリングや必要に応じて薬の治療など今後の相談に乗って下さると思います。

最寄りの病院の 心療内科 または 精神科 受診を推奨します。

精神科医師②の回答精神科医師②の回答 のアイコン

睡眠習慣が適切でないために、不眠をきたしているのでしょう。単に早く寝ればよいというわけでもありません。次のように睡眠習慣を正してみてください。

厚労省の睡眠障害治療ガイドラインによれば、睡眠は網膜が朝に日光の明るさを感知して体内時計がリセットされると、15時間程度のちに睡眠要求が生ずるとされます。日中は活動を心がけ、昼寝はせず、しても30分以内としてください。

睡眠専門の生理学者によると、午前1時に熟睡しているのが理想とされます。そのためには、10時~11時には就寝する必要があります。たとえば、午後10時に休まれるのであれば、起床後もカーテンを開けずに過ごし、午前7時にカーテンを開けて日の光を浴びてください。

また、仮に眠れなくとも部屋を暗くして、じっとして体を休めれば睡眠の効果の8割は取れるそうです。

カーテンを開けて陽光を浴びるタイミング、その15時間後の就寝のタイミングをまずは調整してみてください。とにかく、しんぼう強く続けていただくと眠れるようになってくると思います。眠れないことでわが身をのろったりせず、これでいいのだとご自身に言い聞かせて、ゆっくり休まれるといいでしょう。

どうしてもつらい場合は、思春期・青年期外来のある心療内科や精神科に相談されるとよいと思います。

強い眠気と めまい 耳鳴りに困っている

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半年前あたりから「歩いていると地面が斜めになっているような感覚」「耳鳴り」「視界が真っ暗になる」「寝ても寝ても眠い(12時間~15時間ほど寝ても)昼間に眠くなってしまう」「急に起こされると動悸がして冷や汗が出てくる」「朝起きられない(目覚ましを5回かけてやっと起きられる)」という症状に困っています。

最寄りの診療所・クリニックの 心療内科 または 精神科、耳鼻いんこう科 受診を推奨します。

脳神経外科医師の回答脳神経外科医師の回答 のアイコン

「寝ても寝ても眠い」症状からは、特発性過眠症と思われます。慢性的な睡眠不足がない状況下においても、強い日中の眠気のために日常生活に支障をきたす病気です。この病気では、よく眠ることが幼少時期から目立ち、10代で日中の眠気が問題となることがほとんどです。

日中の過度の眠気に対しては、覚醒維持薬を使用します。薬物療法だけでなく、十分な睡眠時間を確保することも含めた生活上の注意も大切です。睡眠時間を確保することで、日中の眠気の軽減が得られることがあります。

睡眠外来を受診ください。
めまいと耳鳴りについては、内耳障害によるものが多いと思います。難聴はないですか。

代表的なものにメニエール病があります。メニエール病はストレスや疲労をきっかけに、激しいめまいや耳鳴りが起こる病気です。原因は、内リンパ水腫(浮腫)とされています。過眠症とは直接の関係はないと思います。

一度、耳鼻科で診てもらうとよいでしょう。

最寄りの診療所・クリニックの 内科 受診を推奨します。

内科医師の回答内科医師の回答 のアイコン

記載いただいた情報で考える限り、自律神経失調症が疑われます。病態的には西洋医学のアプローチよりも漢方での薬物治療のほうが向いているように思われます。

漢方は効きにくいとか、効果が出るのに時間がかかるというイメージをお持ちかもしれませんが、専門医であれば、お一人お一人の体質に合わせた調剤が可能です。もちろん、保険もききます。できたら、漢方内科や漢方診療科の標榜をしているところを受診されたほうが、よりよいと思います。

最寄りの診療所・クリニックの 循環器内科 受診を推奨します。

脳神経内科医師からの回答脳神経内科医師からの回答 のアイコン

症状からは、いわゆる脳貧血の症状ではないかと思います。脳貧血というのは、神経調節性失神や迷走神経反射、起立調節障害とも言われます。一過性に血圧が低下して、脳への血流が減少することにより、種々の症状が出現するものです。

特に、急に立ち上がったとき、立位を続けたとき、入浴後に立つとき、起床時に起き上がるとき、排便や排尿時に強く息んだとき、過度な空腹や満腹、脱水や貧血などの場合に誘発されることが多いです。他に、過度なストレスや疲れなども影響します。

体質的になりやすい事も多く、若い女性に非常に多いです。起立時に血圧が下がるため、朝起きることができずに、結局学校への登校が困難になってしまうということもあります。年を取ると軽くなる傾向があります。

症状としては、めまい感や眼前暗黒感、冷や汗、視野のゆがみなど、記載の症状はいずれも脳貧血の症状で合致します。

対処法としては、しっかりと水分をとる、血圧を維持するために塩分も適度にとる、弾性ストッキングなどのきつめのストッキングをはくなどが有効です。これらの対処法でも改善が見られない場合は、血圧をあげる薬(昇圧薬)の内服治療なども検討されます。

症状が続く場合や日常生活に支障が出るほど強い場合には、まずは近所の循環器科を受診するとよいですよ。