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しゃっくりが長引く、頻繁に出るときは病気の可能性も?しゃっくりが起こる仕組み、頻繁に出る人の特徴、受診の目安を解説【医師解説】

公開日: 2026年05月20日
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「しゃっくりがなかなか止まらない」「最近、何度も繰り返す」――そんな症状が気になったことはありませんか。しゃっくりは誰にでも起こる身近な現象ですが、じつは胃や食道への刺激、自律神経の乱れなど、さまざまな要因が関係しています。

しゃっくりが起こる仕組みや、頻繁に出る人の特徴、止めるための対処法、受診が必要な目安について、天王寺やすえ消化器内科・内視鏡クリニックの安江千尋院長に解説してもらいました。

医師紹介

2009年防衛医科大学校医学科卒業。防衛医科大学校病院、自衛隊横須賀病院、自衛隊舞鶴病院などで内科・消化器内科診療に従事した後、がん研有明病院 下部消化管内科にて内視鏡診療・治療を専門に従事。2020年に同病院副医長に就任。2024年12月、天王寺やすえ消化器内科・内視鏡クリニックを開院。日本消化器内視鏡学会専門医・指導医、日本消化器病学会専門医・指導医、日本内科学会総合内科専門医。

しゃっくりは、なぜ起こるのでしょうか?仕組みを教えてください

横隔膜が自分の意思とは関係なく急激に収縮することで起こり、多くは一時的な胃の刺激によるものです

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しゃっくりは、医学的には「吃逆(きつぎゃく)」と呼ばれる症状で、横隔膜という呼吸に関わる筋肉が、自分の意思とは関係なく急激に収縮することで起こります。その直後に声帯が閉じるため、「ヒック」という独特の音が出ます。

横隔膜は、胸とお腹を隔てている大きな筋肉で、普段は呼吸に合わせて規則的に動いています。息を吸う時には横隔膜が下がり、肺が膨らみます。しかし、何らかの刺激によって横隔膜が急にけいれんすると、通常とは異なる呼吸運動が起こり、しゃっくりになります。

この反射には、「しゃっくり反射弓」と呼ばれる神経の仕組みが関係しています。胃や食道などで受けた刺激が、迷走神経や横隔神経を通じて脳へ伝わり、その刺激が再び横隔膜へ伝達されることで、しゃっくりが発生すると考えられています。

日常生活の中で起こるしゃっくりの多くは、一時的な胃の刺激によるものです。例えば、食べ過ぎ、早食い、炭酸飲料、アルコール摂取などによって胃が急に膨らむと、横隔膜周辺が刺激され、しゃっくりが出やすくなります。熱いものと冷たいものを続けて食べた時など、温度刺激によって起こることもあります。

また、緊張やストレスもしゃっくりの原因になることがあります。腸や胃は自律神経と深く関係しているため、精神的ストレスによって神経バランスが乱れると、しゃっくり反射が誘発される場合があります。

通常のしゃっくりは数分〜数時間以内に自然に止まることがほとんどです。しかし、まれに長時間続く場合があります。医学的には、48時間以上続くものを「持続性しゃっくり」、1か月以上続くものを「難治性しゃっくり」と呼びます。

長引くしゃっくりでは、単なる胃の刺激以外の原因も考えなければなりません。

例えば、逆流性食道炎、胃炎、胃がんなどの消化器疾患のほか、脳梗塞、脳腫瘍など脳の病気、肺炎や胸膜炎など胸部疾患、糖尿病や腎不全など全身疾患が関係することもあります。

とくに脳幹という部分は、しゃっくりの中枢に関わるとされており、この部位に異常が起きると、しゃっくりが止まらなくなるケースがあります。

また、薬剤が原因となることもあります。抗がん剤、ステロイド、一部の睡眠薬や精神科薬などでしゃっくりが誘発される場合があります。

このように、しゃっくりは単純な生理現象であることが多い一方、長引く場合には病気のサインである可能性もあります。単なる「よくあること」と考えて放置せず、特に長期間続く場合には注意が必要です。

    しゃっくりが頻繁に出る人には、どのような特徴や原因が考えられますか?

    胃腸への刺激が多い生活習慣の人はしゃっくりが出やすいです。また、まれではありますが脳疾患が原因となるケースもあります

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    しゃっくりは誰にでも起こる生理現象ですが、なかには「頻繁にしゃっくりが出る」「毎日のように繰り返す」という方もいます。こうした場合には、生活習慣や体質、背景にある病気などが関係している可能性があります。

    まず多いのは、胃腸への刺激が多い生活習慣です。食べ過ぎ、早食い、炭酸飲料、アルコール摂取などによって胃が急激に膨らむと、横隔膜が刺激されやすくなります。

    とくに早食いの方は、空気を一緒に飲み込みやすく、胃が張りやすいため、しゃっくりが起こりやすい傾向があります。

    また、刺激物の摂取も影響します。辛い食べ物、熱すぎる飲食物、冷たい飲み物などは食道や胃を刺激し、しゃっくり反射を誘発することがあります。

    ストレスや疲労も重要な要因です。しゃっくりには自律神経が関係しているため、精神的緊張や睡眠不足によって神経バランスが乱れると、しゃっくりが起こりやすくなることがあります。人前で緊張した時や疲れている時にしゃっくりが出やすい方も少なくありません。

    逆流性食道炎も、頻回なしゃっくりの原因としてよくみられます。胃酸が食道へ逆流すると、食道や横隔膜周辺が刺激されるため、しゃっくりが起こりやすくなります。

    胸焼け、喉の違和感、慢性的な咳を伴う場合には、この病気が隠れている可能性があります。

    さらに、糖尿病、腎不全、肝疾患など全身疾患によって神経が刺激され、しゃっくりが出やすくなることもあります。とくに腎機能低下による尿毒症では、難治性しゃっくりがみられる場合があります。

    まれではありますが、脳疾患が原因となるケースもあります。

    脳梗塞や脳腫瘍、とくに脳幹部に異常がある場合には、しゃっくりが長期間持続することがあります。手足のしびれ、ろれつの回りにくさ、めまいなどを伴う場合には注意が必要です。

    また、薬剤性しゃっくりも知られています。抗がん剤、ステロイド、一部の睡眠薬や向精神薬などが原因になることがあります。

    重要なのは、「頻度」と「持続時間」です。

    たまに出て自然に止まる程度なら大きな問題はないことがほとんどですが、「毎日のように繰り返す」「数時間以上止まらない」「睡眠に影響する」場合には、一度医療機関で相談したほうが安心です。

    しゃっくりは軽く考えられがちな症状ですが、長引く場合には体の異常を知らせるサインになっていることもあります。

      しゃっくりを少しでも早く止める方法を教えてください。

      医学的には、しゃっくりは迷走神経や横隔神経が関与しているため、これらの神経へ適度な刺激を与えることで改善するケースがあります

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      しゃっくりは自然に止まることが多い症状ですが、会話中や食事中、人前などでは早く止めたいと感じる方も多いと思います。

      昔からさまざまな「止め方」が知られていますが、その多くは横隔膜や神経への刺激を変化させることで、しゃっくり反射をリセットすることを目的としています。

      比較的よく知られている方法として、「息を止める」があります。深く息を吸って数秒間止めることで、血液中の二酸化炭素濃度が上昇し、横隔膜の異常な動きが落ち着くことがあります。

      また、「ゆっくり冷たい水を飲む」という方法もあります。水を飲み込む動作によって、喉や食道周辺の神経が刺激され、しゃっくり反射が抑えられると考えられています。

      「驚かせると止まる」という話を聞いたことがある方もいるかもしれません。これも急激な刺激によって自律神経のバランスが変化し、しゃっくり反射が中断されるという考え方です。ただし、医学的に確立した方法というわけではありません。

      その他にも、舌を軽く引っ張る、両膝を抱えて前かがみになる、紙袋で呼吸するなど、昔からさまざまな方法があります。ただし、紙袋呼吸は過度に行うと危険な場合もあるため注意が必要です。

      医学的には、しゃっくりは迷走神経や横隔神経が関与しているため、これらの神経へ適度な刺激を与えることで改善するケースがあります。

      一方で、長時間続くしゃっくりでは、薬物治療が必要になることがあります。

      病院では、胃薬、漢方薬、神経を調整する薬などを用いることがあります。とくに逆流性食道炎が背景にある場合には、胃酸を抑える薬で改善するケースも少なくありません。

      また、睡眠不足や疲労、飲酒などがきっかけになっている場合には、生活習慣を見直すことも重要です。暴飲暴食を避け、ゆっくり食べるだけでも、しゃっくり予防につながることがあります。

      一般的なしゃっくりは数分〜数時間で自然に改善します。しかし、何日も続く場合には単なる一時的なしゃっくりではない可能性があります。

      とくに、「食事が取れない」「眠れない」「呼吸が苦しい」といった状態になっている場合には、早めに医療機関へ相談することが大切です。

        「よくあるしゃっくり」と「病気が隠れているしゃっくり」の違いはありますか?

        「長く続くしゃっくり」は注意が必要です

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        しゃっくりのほとんどは、一時的な胃の刺激などによる生理現象で、数分〜数時間で自然に止まります。

        しかし、中には病気が隠れているケースもあるため、「いつものしゃっくり」との違いを知っておくことが大切です。

        一般的なしゃっくりは、食べ過ぎ、早食い、炭酸飲料、アルコール、急激な温度変化などがきっかけで起こります。たとえば、「急いでご飯を食べた後にしゃっくりが出る」といったケースです。このようなしゃっくりは短時間で自然に治まることがほとんどで、体への影響もほぼありません。

        一方、注意が必要なのは、「長く続くしゃっくり」です。医学的には、48時間以上続く場合を「持続性しゃっくり」、1か月以上続く場合を「難治性しゃっくり」と呼びます。

        病気が隠れているしゃっくりでは、長期間続くことに加えて、他の症状を伴うことがあります。例えば、胸焼けや喉の違和感がある場合には逆流性食道炎、腹痛や吐き気を伴う場合には胃炎や消化器疾患の可能性があります。

        また、頭痛、手足のしびれ、ろれつ障害などを伴う場合には、脳梗塞など脳の病気が関係していることがあります。特に脳幹部の異常では、難治性しゃっくりがみられることがあります。

        さらに、肺炎や胸膜炎など胸部の病気でも、横隔膜周囲が刺激され、しゃっくりが止まらなくなることがあります。

        「眠れないほど続く」「食事ができない」「何日も止まらない」という場合は、単なるしゃっくりとして放置しないほうがよいでしょう。

        また、体重減少や全身倦怠感を伴う場合には、がんなど重篤な疾患が背景にあることもあります。

        しゃっくり自体はありふれた症状ですが、「長さ」と「他の症状の有無」が重要な見分けポイントになります。普段と違うと感じる場合には、一度医療機関で相談することが大切です。

          しゃっくりが止まらない場合、受診の目安はありますか?

          48時間以上続く、日常生活へ支障が出ているといった場合は一度、消化器内科や内科で相談することをおすすめします

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          しゃっくりは多くの場合、一時的な症状で自然に改善します。しかし、長引く場合には病気が隠れている可能性もあるため、一定のタイミングで受診を考えることが重要です。

          まず目安となるのが、「48時間以上続くかどうか」です。通常のしゃっくりは数分〜数時間以内に改善することがほとんどです。そのため、2日以上続く場合には、単なる一時的なしゃっくりではない可能性があります。

          また、しゃっくりによって日常生活へ支障が出ている場合も受診を検討すべきです。例えば、「眠れない」「食事ができない」「仕事に集中できない」といった状態では、体力低下や脱水につながることがあります。

          さらに、他の症状を伴う場合には注意が必要です。胸焼けや呑酸があれば逆流性食道炎、腹痛や発熱があれば感染症や消化器疾患、頭痛や手足のしびれを伴う場合には脳疾患の可能性も考えられます。

          とくに「ろれつが回らない」「片側の手足が動かしにくい」「激しい頭痛がある」といった症状がある場合には、脳梗塞など緊急性の高い病気の可能性があるため、早急な受診が必要です。

          また、がん治療中や重い持病がある方でしゃっくりが続く場合には、薬剤や全身状態の影響も考えられるため、主治医へ相談したほうが安心です。

          医療機関では、症状の経過や持続時間を確認し、必要に応じて血液検査、画像検査、胃カメラなどを行います。原因に応じて、胃薬やしゃっくりを抑える薬を使用することもあります。

          「しゃっくりくらいで受診してよいのか」と遠慮される方もいますが、長引くしゃっくりは決して珍しい相談ではありません。

          「いつもと違う」「長く続く」「他の症状がある」という場合には、自己判断で放置せず、一度消化器内科や内科で相談することをおすすめします。

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            ※本記事は特定の病気・症状について一般的な医学情報を解説したものであり、個々の症状や状態に対する診断・治療を保証するものではありません。症状の現れ方・原因・経過には個人差があり、記事内容がすべての方に当てはまるとは限りません。また、本記事の内容は公開日時点の医学知識をもとに作成していますが、ガイドライン・診療方針は変更になる場合があります。