冷夏どころか熱中症リスク増の可能性も…ニュースでよく聞く「スーパーエルニーニョ」は何が“スーパー”なの?

しかし、この現象は日本の暑さや台風など、私たちの身近なリスクともかかわりがあり、無視できない状況。今年の夏はいったいどうなるのか?
気象予報士が解説します。
執筆

NHK・民放各局で気象キャスターを歴任し、「納得できるわかりやすい解説」に定評があるほか、防災や気候変動についても親しみやすい説明を得意とする。野菜ソムリエ・食育インストラクター・薬膳マイスターとして出張料理やレシピ制作も行い、気象と健康、食事の関係にも詳しい。
目次
「スーパーエルニーニョ」とは?
「エルニーニョ」というのは、太平洋の海の温度が通常と変わってしまう現象のことで、とくに南米あたりの海面水温が例年より高いことをさしています。海は世界のさまざまな気象現象とつながっているため、海の温度が変わることで、世界各国で異常気象が発生しやすくなることが知られています。
「エルニーニョ」は数年に1回程度発生し、そのたびにアジアやヨーロッパなどさまざまな地域で大雨や干ばつなどが引き起こされ、世界から注目されるのです。
2026年は、夏までに「エルニーニョ」が発生する可能性がかなり高いと指摘されているだけでなく、通常の「エルニーニョ」よりも大幅に海の温度が高くなる「スーパーエルニーニョ」となると考えられています。そのため、日本を含めた各国で影響が心配されているのです。
エルニーニョなのに冷夏じゃない!?
エルニーニョになると日本は冷夏になる…そんなイメージを持っている人もいるでしょうか。実際、1993年の夏はエルニーニョが一因で冷夏となり、米の生産量が減ってタイ米を緊急輸入する「平成の米騒動」が起きました。
しかし、エルニーニョとひとくちに言っても、じつはさまざまなパターンがあります。とくに2026年については、海の温度の分布が典型的なエルニーニョとは異なり、冷夏ではなく猛暑、それも記録的な猛暑となる可能性が指摘されているのです。
もともと地球温暖化の影響で、日本の夏は年々暑さが厳しくなり、厚労省の統計によれば近年は熱中症で亡くなる人が年間1,500人前後まで増えているそうです(※)。そのため「スーパーエルニーニョ」によって例年を上回る猛暑が懸念される2026年は一層、暑さから身を守る準備が必要になりそうです。
台風の発生にも「スーパーエルニーニョ」が影響、気圧の変化による体調不良にも注意!
台風は海の上で発生する現象で、海の温度と深いかかわりがあります。そのため、ふだんと海の温度が大きく変わってしまうスーパーエルニーニョの発生が予想される今年は、台風にも影響が出ると考えられています。
じつは、台風とエルニーニョとの関係はさきほどの気温以上にさまざまなパターンがあるのですが、2026年は台風の数が多くなる可能性があるという予測も。もし夏のうちから台風の発生数が多くなった場合、迷走する台風が増えるなどのリスクがあります。
また、台風は遠く離れた場所でも微細な気圧変化をもたらすことがあります。ふだんから気圧変化で頭痛やひざの痛みなどの症状がでる人は、台風の発生数が増えることで体調をくずしやすくなるリスクもあるのです。
健康面も含めて全体的なリスクが高い夏に!?
もともと日本の夏は、暑さや雨などによって毎年のように被害が発生していて、そなえをしている人も多いと思います。そして今年はスーパーエルニーニョによって、そういったリスクが全体的に底上げされる可能性が…。
いま一度、自分の暑さ対策や大雨へのそなえを見直してみて、これまで以上に気温が高くなってしまったとき、あるいは想定以上に雨が多くなってしまったときにどう対処するのかなど、確認してそなえを強化しておきましょう。
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