糖質ゼロビールやジュースは太らない?体内で起きていることと付き合い方

医師紹介
2008年 医学部卒業、臨床研修修了後、糖尿病・内分泌内科を専門に病院勤務を行い、現在は地域の中核病院に勤務。日本内科学会認定 内科医、日本内分泌学会 認定内分泌代謝科専門医、日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医。
目次
糖質ゼロとは?なぜ糖質ゼロなのに甘い?
「糖質ゼロ」は食品表示法のルールに基づき、100mlあたり糖質0.5g未満であれば表示が可能です 。つまり厳密には「完全にゼロ」ではありません。
また、砂糖を含まなくても甘いのは、アスパルテームなどの人工甘味料(非糖質甘味料)が使われているためです 。これらは砂糖の数百倍の甘味を持ち、カロリーを抑えつつ甘さを出せますが、製品によっては微量の糖質が含まれており、血糖値に影響が出ることもあります。
糖質ゼロ飲料を摂取したときに体内で起きていること
カロリーゼロの飲料でも、強烈な甘味が脳の報酬系を刺激します。脳は「カロリーが入ってくる」と錯覚しますが、実際にはエネルギーが入らないため、このミスマッチが食欲を増進させ、別の食事での過食(代償行動)を招くリスクも考えられています。
また、「糖質ゼロビール」などのアルコール飲料の場合、体内でアルコールが最優先で分解(解毒)されるため、脂肪や糖の代謝が後回しになってしまいます 。
さらに、アルコールは食欲を増進させるホルモンの分泌を促すため、「〆のラーメン」など高カロリーなものを欲求しやすくなり、結果として使われなかった糖や脂肪が体脂肪として蓄積されやすくなります。
糖質ゼロはいくら摂取しても太らない?糖尿病でもOK?健康被害ゼロ?
WHO(世界保健機関)は2023年、「非糖質甘味料は体脂肪減少に長期的な利益をもたらさないため、体重管理の目的での使用は推奨できない」とするガイドラインを発表しました。
また、人工甘味料が腸内細菌叢(腸内フローラ)を変化させ、糖代謝に悪影響を及ぼす可能性も指摘されています。 人工甘味料のひとつで、安全性(発がん性の可能性)への懸念が示されたこともあるアスパルテームについては、1日の許容摂取量(体重1kgあたり40mg)以内であれば安全とされていますが、意見は割れており、使用しないにこしたことはなさそうです。
専門医でも「どうしても甘いものを飲みたい場合は、糖質ゼロの飲料にしてくださいね」と糖尿病患者さんに指導することは確かにあります。
しかし、糖尿病患者にとっても「無限に飲んでよい」わけではなく、血糖値への微細な影響を考慮し、基本の水分補給は水やお茶を中心にして、人工甘味料飲料は補助的な位置づけというのが医師のあいだでの共通認識となっています。
糖質ゼロ飲料との上手な付き合い方
糖質ゼロ飲料の摂取について「基本は水やお茶を主役にすること」「食事中は控えること」「1日の目安量を決めること」を推奨しています。
甘い飲み物は「たまのご褒美」として付き合うのがベストです 。お酒の場合も同様に、空腹時を避ける(血中アルコール濃度が上昇しやすいため)、タンパク質中心のおつまみを選ぶ(脂肪になりにくいため)、適量を厳守する(1回の飲酒はビール1-2杯程度に抑える)ことが太らないための鉄則です。
まとめ
糖質ゼロ飲料は、短期的にはカロリー摂取を抑える助けになりますが、長期的な体重管理には必ずしも有効ではありません。
脳の錯覚による過食リスクや、アルコールによる脂肪燃焼の阻害というメカニズムを理解し、水や無糖のお茶を中心とした生活を心がけましょう。
「たまのご褒美で、ルールを決めて適度に楽しむ」ことが、健康を維持し太らないための最大の秘訣です。
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