認知症予防は「高齢になってから」では遅い?中年期の高血圧に注意したい理由

なかでも注意したいのが「高血圧」です。高血圧は認知症のリスクになることが指摘されており、中年期から血圧を管理することが認知症予防につながると考えられています。
さくらひだまり訪問クリニックの加藤久普院長の監修で解説します。
医師紹介
さくらひだまり訪問クリニック院長。東京大学理学部、名古屋大学医学部を卒業後、総合病院で内科や救急などの研鑽を積む。その後、慶應義塾大学精神・神経科学教室にて助教を務め、大学病院や都立松沢病院をはじめとする精神科医療の第一線で豊富な臨床経験を重ねる。さらに複数のクリニックで精神科および内科の訪問診療に深く携わった経験を活かし、東京都北区に当院を開院。現在は心身両面から地域に根ざした訪問診療を行っている。
目次
高血圧も「認知症」のリスクになる
近年、高血圧や糖尿病、肥満、脳卒中などの生活習慣病が、認知症の発症や進展に大きく関わっていることがわかってきています。
そのため、生活習慣病を予防したり、すでに発症している場合には適切に管理したりすることは、認知症予防の面からも重要です。
認知症のなかでも、高血圧との関係が指摘されているもののひとつが「脳血管性認知症」です。
脳血管性認知症は、脳の血管が詰まる「脳梗塞」や、脳の血管が破れる「脳出血」など、脳の血管の問題によって起こります。
高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病や、喫煙といった生活習慣は、脳血管性認知症になる危険性を高めます。
中年期に血圧が高かった人は要注意?
高血圧と認知症の関係については、福岡県久山町で行われた疫学調査があります。
この調査に参加した高齢者の健康保険の記録を17年間にわたって分析したところ、疫学調査の時点で正常血圧の範囲内だった人と比べ、当時の血圧が高かった人ほど、脳血管性認知症のリスクが高いことが示されました(※1)。
さらに注目したいのが、「いつから血圧が高かったのか」です。
中年期の時点ですでに血圧が高かった人は、老年期になってから高血圧になった人よりも、脳血管性認知症のリスクが高くなっていました。
つまり、認知症予防を考えるうえでは、高齢になってから血圧を意識するだけでなく、中年期から血圧を管理していくことが重要だと考えられます。
※1:小原知之 他. "久山町研究からみた認知症の予防". 老年期認知症研究会誌. 2017;21(9):80-83.
40代・50代から「認知症予防」を意識
認知症は高齢者に多い病気ですが、そのリスクに関わる生活習慣病は、それ以前から積み重なっていくものです。
「まだ認知症を心配する年齢ではない」と考えて、高血圧をそのままにしてよいわけではありません。
高血圧をはじめとした生活習慣病を予防・管理することは、その病気自体への対策だけでなく、将来の認知症予防にもつながります。
認知症を遠い将来の問題と考えず、中年期から血圧を意識していくことが大切です。
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※本記事は特定の病気・症状について一般的な医学情報を解説したものであり、個々の症状や状態に対する診断・治療を保証するものではありません。症状の現れ方・原因・経過には個人差があり、記事内容がすべての方に当てはまるとは限りません。また、本記事の内容は公開日時点の医学知識をもとに作成していますが、ガイドライン・診療方針は変更になる場合があります。

