認知症は「物忘れ」だけじゃない?ATMが使えない、同じものを何度も買う…見逃したくない変化

たとえば、それまで普通に使えていたATMや自動改札が使えなくなる、買い物に行くと同じものを何度も買ってしまう、これまで作っていた料理が作れなくなる――こうした日常生活のなかの変化として、認知機能の障害が現れることもあります。
さくらひだまり訪問クリニックの加藤久普院長の監修で解説します。
医師紹介
さくらひだまり訪問クリニック院長。東京大学理学部、名古屋大学医学部を卒業後、総合病院で内科や救急などの研鑽を積む。その後、慶應義塾大学精神・神経科学教室にて助教を務め、大学病院や都立松沢病院をはじめとする精神科医療の第一線で豊富な臨床経験を重ねる。さらに複数のクリニックで精神科および内科の訪問診療に深く携わった経験を活かし、東京都北区に当院を開院。現在は心身両面から地域に根ざした訪問診療を行っている。
目次
認知症で起こるのは「記憶障害」だけではない
認知症は、脳の認知機能が障害されることによって、日常生活に支障が出てくる状態です。
認知機能には、記憶することだけでなく、時間や場所などを把握したり、ものごとを判断したり、計画を立てて行動したりするさまざまな働きがあります。
そのため、認知症になると「忘れる」という症状だけではなく、日常生活のさまざまな場面で、それまでとは違った変化が現れることがあります。
ATMや自動改札が使えなくなることも
たとえば、それまで問題なく使えていた自動改札やATMが使えなくなることがあります。
買い物でも変化が現れる場合があります。
何を買うのかを考えたり、必要なものを判断したりすることが難しくなり、同じものを何度も買ってしまうことがあります。
料理にも影響が出ることがあります。
料理をするためには、何を作るのかを考え、必要な食材を準備し、手順に沿って調理を進めていく必要があります。
認知機能が低下すると、こうした一連の行動が難しくなり、それまで普通に作れていた料理が作れなくなることがあります。
こうした変化は、単純な「物忘れ」という言葉だけでは捉えにくいものです。
「時間や場所がわからない」という変化も
認知症では、「見当識」に障害が起こることもあります。
見当識とは、現在の時間や自分がいる場所など、自分が置かれている状況を把握するための機能です。
この機能が低下すると、時間や季節、場所などがわからなくなることがあります。
さらに、言葉を理解したり話したりすることが難しくなる「失語」、対象を正しく認識できなくなる「失認」、服を着たりお茶を入れたりするといった動作ができなくなる「失行」、計画を立ててその通りに実行することが難しくなる「実行機能障害」などがみられることもあります。
日常生活の「以前との違い」に目を向ける
認知症というと、「最近、物忘れが増えたかどうか」に注意が向きがちです。
しかし、ATMや自動改札が使えなくなった、同じものを何度も買うようになった、料理ができなくなったなど、日常生活のなかに現れる変化もあります。
本人にとっては当たり前になっていて、自分では変化に気づきにくいこともあります。
「物忘れがあるか」だけで考えるのではなく、これまで普通にできていたことが難しくなっていないかなど、日常生活のなかでの「以前との違い」に目を向けることも大切です。
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※本記事は特定の病気・症状について一般的な医学情報を解説したものであり、個々の症状や状態に対する診断・治療を保証するものではありません。症状の現れ方・原因・経過には個人差があり、記事内容がすべての方に当てはまるとは限りません。また、本記事の内容は公開日時点の医学知識をもとに作成していますが、ガイドライン・診療方針は変更になる場合があります。

