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1日3回の食事で「歯が溶けてしまう」リスクも…歯科医師が「使うのはやめとけ」と警告する歯磨き粉とは?

公開日: 2026年06月30日
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ついやりがちなことだけど、専門の医師からすれば「やめとけ」と言わずにはいられない、ヤバい習慣は少なくないようです。

たけのやま歯科の山田翔 院長に、健康な歯を維持するうえで大切な3つの「やめとけ」を解説してもらいます。

医師紹介

歯科医師

得意分野はう蝕学

たけのやま歯科 院長

https://www.takenoyama-dc.jp/

※所属は2026 年4 月現在

※本記事の内容は、栗原大智 総監修『#3大やめとけ ―21人の医師が教える 寿命を縮める「ヤバい」生活習慣』(高橋書店)の一部を抜粋のうえ再編集したものです

歯科の3大やめとけ
歯科の3大やめとけ

【STOP 1】フッ化物フリーの歯磨き粉→1日3回の食事でも歯が溶けてしまう

むし歯予防効果に科学的な裏づけがはっきり存在するのは今のところ「フッ化物」のみです。

2023年、日本口腔衛生学会・日本小児歯科学会・日本歯科保存学会・日本老年歯科医学会の4学会が合同で歯磨き粉の利用方法に関する推奨を出しました。以前と比べフッ化物の推奨濃度が高くなり、歯が生えてすぐから900~1000ppmの濃度が望ましいとされました。

また、これまで1日3回食後の歯磨きの推奨が多かったのに対し、歯磨きのタイミング指定は「就寝前」のみとなり、基本的に「1日2回」とした点も注目です。歯磨き後のうがいも控えめにし、フッ化物を効果的に使ってほしいという意図があります。

実際、フッ化物配合の歯磨き粉を適切に用いれば1日3回の食事に加えて間食も2回(1日5 回)の飲食までは一般に歯は溶けにくい一方で、フッ化物配合の歯磨き粉を使用しない場合は、1日3回食事をするだけでも歯が溶けてしまうという研究があります。

ただし、フッ化物1000ppm未満の濃度の歯磨き粉には表記の義務がありません。そのため表記がない商品は有効濃度の900ppm以上なのか、それ未満なのか分かりません。メーカーのHPにも未記載の場合が多いため、歯科医師に適した歯磨き粉を教えてもらうのが最も確実です。

【STOP 2】野菜・果汁100%ジュース、乳酸菌飲料、イオン飲料、スポーツドリンク、エナジードリンク、お酢ドリンク、炭酸ジュース→「噛まない」液体の方がむし歯リスク大

3大と書いているのに大量に書いたので、X では「歯医者は数も数えられんのか」と笑っていただいた部分です(笑)。理由はいずれもいわゆる甘いもの「遊離糖:後述」だからです。

形のある食べ物は咀嚼(そしゃく)することで唾液が分泌され、再石灰化が促されます。しかし、液体は基本的に噛まないので、その効果が期待できません。加えて、数回に分けてダラダラと飲むことも多く、そのたびに歯が溶けてしまいます。さらに酸性の飲み物も多いので、飲み物が直接歯を溶かす「酸蝕(さんしょく)」のリスクもあります。

WHOなどの公的機関も飲み物に特に注意喚起を強く出しており、2歳までは砂糖入りの飲料を一切飲ませないように勧告しています。幼い子どもにとって甘い飲み物は依存性が高く、早期に与えるほどジュースを好み、水を飲まなくなるという研究もあります。

また、野菜・果汁100%ジュースや乳酸菌飲料、スポーツドリンクなど、一見「体に良さそう」に感じる飲み物にも歯には良くないものがあります。特にスポーツドリンクは幼い子どもにとって、仕上げ磨きの不足や間食を上回るリスク要因だとする研究もあります。

嗜好品と割り切っているならまだしも、体に良かれと思って健康を害しては本末転倒です。飲み物の与え方には注意したいですね。

【STOP 3】アメ、グミ、ラムネ、チョコ、ソフトキャンディ、キャラメル、塩タブレット、ドライフルーツ、菓子パン、ポテトチップス、クッキー、アイス→遊離糖は3歳までは避ける

いわゆる「甘いものに気をつけてね」ということです。WHOなど国際的な公的機関は「遊離糖」という言葉で、避けてほしい甘いものを定義しています。

遊離糖とは単糖類(ブドウ糖・果糖等)及び二糖類(しょ糖・食卓砂糖など)のことで、食品・飲料に添加する糖類のほか、蜂蜜・シロップ・果汁・濃縮果汁中に天然に存在しているものを指します(新鮮な果物や野菜に含まれる糖、母乳や牛乳に自然に含まれる糖は含みません)。

例に挙げた食品は遊離糖を含む食品の一部です。WHOは遊離糖の摂取量を総エネルギー摂取量の10% 未満(理想的には5% 未満)に制限することで、生涯を通して「う蝕(むし歯)」リスクが最小限になるとしており、平均的な活動量の成人の場合、1日約25g以下にすべきと示しています。

砂糖の場合、大さじ3杯弱もしくは小さじ8杯強です。500mLのコーラ1本には約60gの遊離糖が含まれ基準の倍以上なので、気をつけないとすぐにオーバーしてしまいます。厳しい基準のように感じるかもしれません。

年齢によって気をつけ方も異なり、特に2歳までは遊離糖は避けるべきとされています。ただし、前述の歯磨き粉の使用量が3歳までは制限があること、3歳までは仕上げ磨きが困難な場合も多いことなどから、個人的にはそのような食品は3歳まで避けるようにお伝えしています。

歯科の医師が教える「3大やっとけ」

1.母乳育児
母乳育児は、乳児のむし歯の予防につながる可能性が示されている他、母乳を吸うことで顎や口周りの筋肉の発達を促し、歯並びや噛み合わせが悪くなるリスクの低下や、噛む機能の向上にも関わるとされています。

2.離乳開始初期からの手づかみ食べ
離乳開始初期からの手づかみ食べは、世界的には6か月頃から8か月までに始めることが推奨されており、子ども自身が食材の形や硬さを確かめながら食べる経験が、食べる能力の発達を促します。さらに、早期から多様な食感に触れることで好き嫌いや偏食の抑制につながる可能性も示されています。

3.意外とない「歯科やっとけ」
一般にイメージされやすい「フロス」や「キシリトール」のようなものは、実はむし歯予防に関する科学的根拠は不十分なものが多く「歯磨き」ですらそうです。他にも乳酸菌の応用や、重曹、オイルプリングなど民間療法までさまざまな試みはあるものの、ほとんどは臨床研究がなく、効果が認められていません。唯一確実性が高いのが「フッ化物応用」です。

【参考書籍】

『#3大やめとけ ―21人の医師が教える 寿命を縮める「ヤバい」生活習慣』(高橋書店)
『#3大やめとけ』は2025年8月に眼科専門医・栗原大智氏がXに投稿したポスト。「専門医の信頼できる情報×わかりやすさ」の組み合わせが他の医師や業界に広まり、「1.2億回表示。4.9万いいね」を記録。本書はそのポストを再構成して書籍化したものとなっている。

※記事の内容は記載当時の情報であり、現在と異なる場合があります。