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長生きできる人ほど強い「力」とは?14万人の研究でわかった死亡リスクを予測する意外な指標

公開日: 2026年09月18日
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長生きできる人ほど強い「力」とは?14万人の研究でわかった死亡リスクを予測する意外な指標

登録者数110万人超(2026年9月時点)のYouTubeチャンネル「予防医学チャンネル」を運営する医師の森勇磨氏に、「握力」の重要性と鍛え方について解説してもらいます。

医師紹介

産業医・内科医。YouTubeチャンネル「予防医学ch」運営者。

東海高校・神戸大学医学部医学科卒業。研修後、藤田医科大学病院の救急総合内科にて数えきれないほど「症状が悪化し、後悔の念に苦しむ患者や家族」と接する中で、正しい医療情報発信に対する社会課題を痛感する。

2020年2月より「予防医学ch/医師監修」をスタート。株式会社リコーの専属産業医として予防医学の実践を経験後、独立。MEDU株式会社を立ち上げ、書籍やYouTubeでの情報発信のほか、オンライン診療に完全対応した新時代のクリニック「ウチカラクリニック」を開設。著書に『40歳からの予防医学』(ダイヤモンド社)などがある。

【この記事のポイント】

・握力は、全身の筋力状態を代表する指標。

・握力低下は、死亡リスクや要介護リスクと強く関連する。

・日常の「不便」は、体からの重要な合図。

・握力は何歳からでも、0円で鍛え直せる。


※本記事の内容は、森勇磨 著『年金暮らしでもお金をかけずにできる 0円予防医学』 (高橋書店)の一部を抜粋のうえ再編集したものです

ペットボトルのフタを、前より固く感じていませんか

「最近、フタがなかなか開かない」

「瓶のフタを開けるのを人に頼むことが増えた」

こうした変化は、日常では“ちょっとした不便”として見過ごされがちです。

けれど医師の立場から見ると、これは体が発している、かなり重要なサインでもあります。

握力は「寿命」を映す数値

医学の世界では近年、握力が健康状態を予測する非常に有力な指標として扱われています。

世界17か国、約14万人を4年間追跡調査した研究では、握力が低下するほど、あらゆる原因による死亡リスクが高まることが示されています(※1)。

注目すべきなのは、この関係が血圧や体重と同じ、あるいはそれ以上に強いという点です。

つまり握力は、単なる「腕の力」ではなく、体全体の“元気度”を映す通信簿のような存在なのです。

なぜ、「握る力」がここまで重要なのか。理由はとてもシンプルです。

握力は、全身の筋力と深く連動しているからです。

手や前腕の筋肉は、日常生活のあらゆる動作に関わっています。物を持ちあげる。支える。踏ん張る。転びそうなときに手を出す。

握る力が弱いということは、こうした全身の動きが弱っている可能性を示しています。

全身の筋力低下は、転倒、骨折、寝たきり、活動量の低下につながり、結果として生活の質や寿命に影響します。

数値よりも「生活の変化」に目を向けて

握力などの正確な数値は、自治体の体力測定会などで測ることもできます。

ただし、日常生活の変化のほうが、自分の状態を知るヒントになることも多いものです。

・フタが開けにくい
・洗濯物を強く絞れない
・買いもの袋を長く持てない
・傘をしっかり握れない

これらが増えてきたら、「握力の衰えが始まっているサイン」と考えてよいでしょう。

握力は、何歳からでも鍛え直せる

ここで大切な話があります。

握力は、一度落ちたら戻らない能力ではありません。

日常にあるものだけで、十分に鍛え直せます。

タオルを絞る、新聞紙を片手で丸める、手をグーとパーに動かす。こうした動きは、前腕や手の細かな筋肉だけでなく、神経と筋肉の連携も同時に刺激します。

握力トレーニングは、全身にもよい影響がある

興味深いことに、握る力を鍛えることで、血圧が下がったという報告もあります。

その理由のひとつは、筋肉を収縮させることで血管のはたらきが整い、全身の循環に良い影響が出るためと考えられています。

「たかが手」そう思っていた動きが、体全体の調子を底上げする可能性を秘めているのです。

「開けられる今」が、いちばんの始めどき

フタをまったく開けられなくなってからではなく、「開けられるけど、ちょっと力がいるな」と感じたときこそが、鍛え直す最良のタイミングです。

毎日少しずつ、“握る”という基本動作を思い出させるだけで、体はきちんと応えてくれます。

<参考文献>
※1.Leong DP, Teo KK, Rangarajan S, et al. Prognostic value of grip strength: findings from the Prospective Urban Rural Epidemiology (PURE) study. Lancet . 2015;386(9990):266-273.


【参考書籍】

『年金暮らしでもお金をかけずにできる 0円予防医学』(高橋書店)
高価なサプリメントや健康器具、スポーツジムに頼らなくても大丈夫。納豆や卵など身近な食材、散歩やラジオ体操など日常生活の工夫だけで健康を守る方法を紹介します。年金暮らしでも無理なく続けられる健康習慣が満載です。

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※記事の内容は記載当時の情報であり、現在と異なる場合があります。