「居眠り」が長い高齢者は注意が必要!?居眠りが1日1時間増えるごとに死亡リスクが約13%上昇するという報告

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死亡リスクを高める高齢者の隠れた疾患が居眠り時間増加の原因に?
マス・ジェネラル・ブリガムはハーバード大学医学部の主要な教育病院であるマサチューセッツ総合病院やブリガム・アンド・ウィメンズ病院を中核とする、全米屈指の医療組織です。
研究チームによると、高齢者の居眠りの長さが1日あたり1時間増えるごとに死亡リスクが約13%高くなることなどが示されたといいます。
ただ、研究チームは、居眠り時間の増加が原因で死亡リスクが上昇したとは考えておらず、逆に死亡リスクを高める高齢者の隠れた疾患が居眠り時間増加の原因になっている可能性を指摘しています。
また研究チームは今回の研究は居眠りと死亡リスクの間の因果関係を確定するものではないと注意を促しています。
なお今回の論文は2026年4月20日付けで米国医師会が発行する世界的な医学誌「JAMA Network Open」に掲載されています(※2)。
どのような研究がおこなわれたのか?
「ラッシュ記憶・加齢プロジェクト」は米ラッシュ大学医療センターが、1997年から実施している大規模な追跡調査です。イリノイ州北部に住む高齢者を対象に加齢に伴う認知機能の低下や神経変性などを追跡調査しており、信頼性の高い調査として世界的に高く評価されています。
研究チームはこのラッシュ記憶・加齢プロジェクトのデータを使って、56歳以上の高齢者1,338人(平均年齢81歳。女性1,018人、男性320人。参加者のうち926人が追跡期間中に死亡)を最長で19年間追跡。居眠りのパターンと総死亡リスクの関連性を調べました。
なお、今回の研究における居眠りのパターンは、参加者が腕に装着した記録装置が記録したもので、最長で14日間のデータに基づいて測定されました。従来の研究では居眠りのパターンは主に参加者の自己申告に基づいて測定されていたため、活動記録装置による客観的なデータに基づいて居眠りのパターンを測定できたことは今回の研究の特筆すべき点であると、研究チームは述べています。
高齢者の居眠りが1日あたり1時間増えるごとに死亡リスクが約13%高くなる
その結果、高齢者の居眠りの長さが1日あたり1時間増えるごとに死亡リスクが約13%高くなることが示されました。
また、高齢者の居眠りの回数が1日あたり1回増えるごとに死亡リスクが約7%高くなることが示されました。
さらに朝に居眠りする人は午後の早い時間帯に居眠りする人に比べて死亡リスクが約30%高いことも示されました。
ただ、研究チームは、このような関連性について、居眠りが原因で死亡リスクが上昇したとは考えておらず、逆に死亡リスクを高める隠れた疾患が居眠りのパターンに影響している可能性を指摘しています。
たとえば、これまでの先行研究でも、過度の居眠りと心血管疾患などとの関連性が指摘されています。
研究チームはウェアラブルデバイスを使って高齢者の日中の居眠りのパターンを把握し、医療や公衆衛生の現場において、これを利用することは、病気のリスクを早期に発見する新しい手段となる可能性があると指摘しています。
※1 https://news.harvard.edu/gazette/story/2026/05/is-napping-a-sign-of-a-deeper-health-problem/
■執筆:飯銅重幸(はんどうしげゆき)
サイエンスライター。早稲田大学法学部卒。専門分野は「健康・医療」「宇宙」「古生物」など。これまで、WIRED日本版、ダイヤモンドオンライン、バズフィードジャパン、宇宙へのポータルサイトsorae、財経新聞などで執筆。主に海外の最新の研究成果を大学、研究機関、政府機関などのプレスリリースや論文に基づいて紹介している。ネタだし、翻訳、構成、執筆まで一括して対応する。熊本県在住。座右の銘は「生涯一書生」。
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