更年期の体重増加を抑える「正解」とは?11種類の食事法を比較、体重管理に適した「2つの食事法」が明らかに

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看護師健康調査IIに参加した3万8,283人を閉経前後の12年間にわたって追跡調査
更年期には体重が増加しやすいと言われています。しかし、これまで、どのような食事法が、この時期における体重管理に最も適しているのかは、はっきりしていませんでした。
そこで研究チームは、看護師健康調査Ⅱの登録者のうち3万8,283人について、この調査の一環としてこれらの登録者が4年ごとに記入した食事に関する詳細な質問票と体重の記録を閉経前後の12年間にわたって調べ、11種類の主要な食事法と体重の増加や肥満のリスクとの関連を調べました。
その結果、「プラネタリーヘルスダイエット」と「低インスリンダイエット」という2つの食事法が、最も少ない体重の増加や最も低い肥満のリスクと関連していることがわかりました。
なお、看護師健康調査IIとは、生活習慣が女性の健康に与える影響の調査などを目的にハーバード大学T.H. Chan公衆衛生大学院などが、1989年に25歳から42歳の女性登録看護師11万6429人を対象に始めた大規模な調査です。
2つの食事法に共通している特徴とは?
プラネタリーヘルスダイエットとは2019年にイート・ランセット委員会(健康と地球環境の持続性を両立させるための食生活などを研究・提唱するために設立された国際的な学術委員会)によって提唱された健康と地球環境の持続可能性を両立させるための食事法。野菜や果物、全粒穀物、豆類、ナッツ類など植物性食品を中心にし、肉類や魚介類、卵、乳製品などは控えめにすることを特徴としています。
一方、低インスリンダイエットとは急激な血糖値の上昇を避けるなどして過剰なインスリンの分泌を抑える食事法です。
研究チームを率いた、ハーバード大学T.H. Chan公衆衛生大学院などで、疫学や栄養学の博士研究員を務めるトン・シア氏は、この2つの食事法について「いずれも赤肉(牛肉、豚肉、羊肉など哺乳類全般の肉。鶏肉などは含まない)や加工肉、ジャガイモ、フライドポテト、ナトリウムなどの摂取をひかえ、ナッツ類、果物、野菜、全粒穀物、豆類などを積極的に摂取します」と論文等で解説しています。
なお論文はアメリカ医師会が運営する医学雑誌「JAMA Network Open」にオンライン掲載されています(※2)。
更年期女性の体重管理の新たな手引きに
今回の研究の対象となった11種類の食事法には、これら2つの食事法の他にも、地中海式ダイエットやDASH食(高血圧予防のための食事療法)などの健康的な食事法が含まれていましたが、研究チームによると同じ健康的な食事法でも、それぞれ摂取が推奨される健康的な食品の割合に違いがあり、このためそれぞれ明確に異なっているといいます。
トン・シアさんは、「(今回の研究成果は)更年期にある女性とその主治医にとって(体重の増加を抑え、肥満のリスクを低減するための体重管理に関する)確かなエビデンスに基づいた手引きとなるでしょう」と述べています。
※1 https://news.harvard.edu/gazette/story/2026/08/for-women-in-menopause-not-all-healthy-diets-are-equal/
※2 https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2849168
■執筆:飯銅重幸(はんどうしげゆき)
サイエンスライター。早稲田大学法学部卒。専門分野は「健康・医療」「宇宙」「古生物」など。これまで、WIRED日本版、ダイヤモンドオンライン、バズフィードジャパン、宇宙へのポータルサイトsorae、財経新聞などで執筆。主に海外の最新の研究成果を大学、研究機関、政府機関などのプレスリリースや論文に基づいて紹介している。ネタだし、翻訳、構成、執筆まで一括して対応する。熊本県在住。座右の銘は「生涯一書生」。
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