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SNSを何時間使うと心の健康に影響する?11年・18万人超のデータが示した「境界線」

公開日: 2026年09月27日
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米ノースウェスタン大学などの研究チームは、1日のSNS利用時間が約2.5時間を超えると、抑うつとの関連が強まる傾向があるとする研究結果を、学術誌『npj Mental Health Research』で発表しました。

SNSの普及に伴い利用時間の目安を求める声が高まる中、大規模な追跡データに基づく具体的な数値を示した点で注目を集めています。

11年分・18万人超のデータを機械学習で解析

研究チームは、2014年から2024年にかけて毎年実施された米国の大規模調査「Media Behavior & Influence Study」に参加した18〜70歳の成人18万3,300人分のデータを分析。

SNSの利用時間や頻度、心の健康状態に関する自己申告データを機械学習モデルで解析したところ、利用時間が1日あたり約2.5時間に達する付近から、「抑うつあり」と判定されるパターンが目立って増えることが分かりました。

利用時間が長いほど抑うつの判別精度が向上

研究チームによると、SNS利用時間が長い人ほど、他の生活習慣や属性のデータを加味しなくても「抑うつあり」かどうかを高い精度で判別できるようになったといいます。

一方で、SNS利用そのものが抑うつを引き起こすのか、抑うつ傾向のある人がSNSに長時間触れやすいのかという因果関係は、今回の分析だけでは明らかになっていません。

研究チームは、閲覧か発信かといった利用内容や利用時間帯なども含め、今後さらに詳細な検証が必要だとしています。

今回の分析対象には18歳から70歳までの幅広い年齢層が含まれており、若年層に限らず中高年層でも同様の傾向がみられた点も特徴です。

SNS利用を見直すきっかけに

研究チームは、SNSの利用時間が長くなりやすい背景には、孤独感や睡眠不足、日中の活動量の低下など複数の要因が絡み合っている可能性があるとも指摘しています。そのため、単純に「SNSをやめれば解決する」という話ではなく、利用時間の裏側にある生活習慣全体に目を向ける必要がありそうです。

現在、SNSは連絡や情報収集の手段として生活に深く根付いており、一律に利用を控えるよう求めることは現実的ではありません。今回の結果は「利用を控える」ことを提言するのではなく、利用時間そのものを意識するきっかけとして有効と言えるでしょう。

1日の合計利用時間を意識的に把握し、今回報告された「2.5時間」という数字をひとつの節目として、就寝前後の利用を控えるなど、無理のない範囲で利用習慣を見直してみると良いかもしれません。


【出典】
米ノースウェスタン大学ほか. "Social media use and depression across 11 years of U.S. adult data." npj Mental Health Research. 2026年8月22日発表。


■執筆:鈴木 博子(すずき ひろこ)
ライター・編集者。早稲田大学政治経済学部卒。医療・健康分野を中心に、医師や医療従事者へのインタビュー記事、専門家監修記事、書籍などを手がける。これまでに医療従事者を1,500人以上取材し、Web記事3,000本以上、書籍約30冊を執筆。企画、取材、構成、執筆、編集まで一括して対応する。現在は埼玉県と長野県で二拠点生活を送りながら、定期的にインドを訪れ、ヨガとアーユルヴェーダの学びを深めている。

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